2015年8月5日水曜日

熊のプラスチック人形

昨日はワークショップはお休みで海辺に漂着物集めに行っていました。一緒に行った濱塚さんが拾った熊のプラスチック人形をきっかけに、アイヌの話になりました。

僕がこの活動を始めたのは、あるアイヌの方との出会いがきっかけでした。約10年前、スーパーカブで北海道を2ヶ月ほど旅したことがあります。なんの予定も立てていない1人旅で、阿寒町という町に偶然辿り着きました。そこにアイヌのおじさんがやっている宿があって、1泊500円夕食付きというスーパーオンボロでしたが、スーパーミラクルな宿がありました。僕はそのおじさんととっても仲良くなり、気づけば3週間ほど泊まっていました。

日中は近くにあったアイヌ資料館でアイヌの本を読んだり、アイヌの木彫り屋さんを回ったり、そして夜はアイヌのおじさんと酒を飲む。そんな日々を過ごし初めてアイヌ文化を知りました。アイヌは全ての物に神が宿っているという考え方をします。1つの道具を大切に感謝して使う。道具をうやまう姿勢が、なんだか現代より豊かな生き方のような気がしました。物が増えれば増えるほど、豊かさは減っていくのではないか?そう考えるようになりました。

それ以前の僕は絵を描いていたのですが、その出会いをきっかけに作品を作るのに新しい素材を買うことを止めました。道端とかに落ちている物だけで作品を作りたいと思うようになりました。目の前にある物だけで工夫して物を作る。ゴミにさえも命を宿すこと。それはアイヌ文化に影響を受けて始めたことでした。

一昨日、ワークショップに参加してくれた方が「ゴミもよろこんでるね」と言っていました。とっても!とっても!うれしい言葉でした。漂着物を使っての創作とワークショップ。気づけば初めてからもうすぐ10年になります。震災がありワタノハスマイルがあり、いろいろと考えることが複雑になりましたが「物が増えれば増えるほど、豊かさは減っていくのではないか?」この疑問は震災を経てとくに強く思うようになりました。

10年前、北海道でアイヌのおじさんと出会いこの活動を初めて、 いま北海道の海で漂着物を集め、子ども達と日々ワークショップをしている。この土地には何かしらの強いご縁を感じています。阿寒町に住むアイヌのおじさんに10年ぶりに会いに行ってみようかな。



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